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米原家住宅を聞いたことはありますか?
米原家住宅は鳥取市名誉市民の米原章三氏の邸宅でもあり、智頭宿の国指定重要文化財 石谷家住宅の近くにあります。
そんな米原家住宅は主屋・土蔵・上門及び塀・下門及び塀が「国登録有形文化財」また、国選定重要文化財的景観「智頭の林業景観」の構成要素になっています。
しかし近年、塀の腰板や土台、柱などの経年劣化が進み、捲れ・割れ・腐食・倒れなどを起こしていました。
そこで、新規材料として柱に内地栂、控柱と土台に内地栗を使用し土台の取替え、柱・控柱は根継ぎを行って修繕をしました。
(内地=国産材の意味です)
土台の継手には「二方車知栓繋ぎ(にほうしゃちせんつなぎ)」、柱・控柱の根継ぎには「金輪繋ぎ(かなわつなぎ)」を基本とします。
また、控柱の足元には新たに基礎石を設けました。
工期中には近くの県立智頭農林高等学校の生徒を招き、文化財保存の意義・工法等の講義が行われました。
文化財の改修工事は元々使用されている材をできる限り残しながら、柱梁仕口や接合部など本来あるべき状態で加工し、伝統的意匠を崩さないことが重要なポイントになってきます。
今回の米原家住宅をはじめとして私たちの周りには残していきたい風景や建築物がたくさんあり、改修工事を通じてこれからも貢献できたらと考えています。
今回の記事は文化財修繕工事のため、継手などの専門用語がいつもより多めにでてきましたが、大和建設は文化財の改修工事の仕事も行っていることを知っていただけたら幸いです。